『基本的に子供騙しの音楽』
まず冒頭の曲から閉口させられる。こういったLimpまがいの曲をやるのは10年遅い。今更という印象が拭えず失笑するしかない。
このバンドは基本的に節操が無いのが特徴で、あらゆるジャンルの要素がそれぞれの曲から感じられる。それ自体はとても好ましい事に思えそうなものだが、
問題なのはそうした影響をしっかりと自分達なりに消化し解釈する事できていないため、どれも上っ面のスタイル模倣に終始し、影響を受けたジャンルやバンドが簡単に透けて見えるような曲が目立つ事だ。
率直に言ってしまえば浅はかで薄っぺらい音楽性。言い方を代えればわかりやすさはある。故に耳の肥えていないリスナーの多い「V系好き」には受け入れられやすいのだろう。ファーストフードに例えればどうだろう?とってもわかりやすい味付けだが粗悪で味わいが無い。
抽象的な表現だが、本物の音楽、本物のバンドをそれなりに聴き、そのバックボーンがある人間なら彼らの音楽性の浅はかさが一瞬にして見抜けてしまう事は間違いない。
初期と比較すれば録音環境も向上し、アレンジも纏まってきている。が、相変わらず無駄な音の詰め込みが多く、特にギターはオッと思うようなフレーズは皆無でセンスが感じられない。
Regretはシンプルな構成に馴染み易い、V系らしいメロディでこのアルバムの中では比較的良いのではないだろうか。
Dir en greyのような目覚ましい音楽的成長を遂げるとは思えないし、こうしたバンドが今のV系シーンで1、2位を争う人気を獲得している事は対外的に見て良からぬ事だ。
このアルバムの「子供騙しの音楽」を耳にした海外や他ジャンルのリスナーにこれがV系だと認識される事があるとすれば残念。